三味線の調子
ここでは、箏と合わせて弾く場合の調子の合わせ方の解説をします。演奏する曲や演奏者の声の高さによっても調弦が変わってきます。
本調子
箏の調子を平調子にとって、一は、五の弦のオクターブ下に合わせてとります。箏の一の弦と三味線の一の糸と同じ音にあわせます。あまり高いと三味線の弦がきれるので、五(一)の弦は、CかDで合わせます。
基準となる音の高さは変わりますが、調子の種類による二音半上(一の糸から二の糸)、三音半上(二の糸から三の糸)の関係は変わりません。
ド(C)を基準音とした場合(一の糸がド)
ドから二音半上がった音ファが三味線の二の糸の音になる。
ファから三音半上がった音ドが三味線の三の糸の音になる。
箏の弦 | 一弦 | 二弦 | 五弦 |
三味線の弦 | 一の糸 | 二の糸 | 三の糸 |
二上がり
ド(C)を基準音とした場合(一の糸がド)
ドを基に3音半上がったところソが、三味線の二の糸の音となる。
ソから二音半上がった音ドが三味線の三の糸の音になる。
箏の弦 | 一弦 | 三弦 | 五弦 |
三味線の弦 | 一の糸 | 二の糸 | 三の糸 |
三下がり
ド(C)を基準音とした場合(一の糸がド)
ドから二音半上がった音ファが三味線の二の糸の音となる。
ファから二音半上がった音ソ♭が三味線の三の糸の音となる。
箏の弦 | 一弦 | 二弦 | 四の弦の押し |
三味線の弦 | 一の糸 | 二の糸 | 三の糸 |
三味線の構え方
正座をし、腰と背筋を伸ばして、三味線を持ちます。三味線の胴を前向きにして右太ももの上にのせ右手の上でおさえます。
三味線の胴の面は、右太ももの面と直角ではなく上方を手前に引いて上向き加減にします。直角だとひきづらいです。
三味線の胴をおく太ももの位置は、膝と太ももの付け根との間の半分より少し手前お腹側のところにおき、右腕でおさえたときに、身体と三味線の胴の間が握りこぶし一個分ほどはいるくらいがよいです。
三味線の胴の重心を考えて右手だけで三味線をかまえ二の糸巻の上端が、ほぼ目の高さになるような持ち方を心がけます。
左手は、つぼ(ポジション)を押さえるためのもので、棹の重さを支える力がかからないように右の方で固定できるようにします。三味線の棹の赤い丸がポジションです。
撥(ばち)の持ち方、あて方
ばちは、自分の手の大きさにあったものを使います。ばちの持ち方は、人によってさまざまで名人と呼ばれる方でも持ち方はさまざまです。絶対的には決まりがなく、自分に適した形を探すということになります。
一般的には、ばちの重心を中心にして握り、右手の小指と薬指でばちのおしりがわを挟みます。弦を弾くときばちは、胴に対して30~40度ぐらいおこした角度がよいです。薬指と小指で挟むのはちょっと私には難しく挟むことはできないです。
地唄の場合は「かすめばち」といって胴に「ばち先」をあまりあてず、純器楽的な音が好まれ練習からばちをあまり大きく振らないように気をつけるといいです。
ばち先のあたる位置、弦を弾く位置は、胴の端から1から2㎝中に入ったところが良いです。
薬指と小指の間で挟むのはむずかしいです。
楽譜のよみかた
三味線の棹に数字があるのがわかりますか!?三味線の棹のポジションですその位置に左指をあてて押さえます。
- 一の糸は、亻一 漢数字に亻(にんべん)をつけて表記されてます。
- 二の糸は、一 漢数字で表記されてます。
- 三の糸は、1 算用数字で表記されてます。
棹の横に数字が書いてあり、半音ごとに数が増えて書かれていて一オクターブの12個の半音をつぎのように表します。
一の糸 | 亻一 | 亻二 | 亻三 | 亻四 | 亻五 | 亻六 | 亻七 | 亻八 | 亻九 | 亻十 | 亻一・ | 亻二・ |
二の糸 | 一 | 二 | 三 | 四 | 五 | 六 | 七 | 八 | 九 | 十 | 一・ | 二・ |
三の糸 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | × | 1・ | 2・ |
※一オクターブ上の音には、数字の右側に・をつけ、二オクターブ上には点を二個‥をつけます。
ポジションを押さえるのに、人差し指、中指、薬指を使います。指の表記は、
- 人差し指ー人
- 中指ー中
- 薬指ーエ
となってます。人差し指は、省略されていることが多い。
また、ポジションの記号とまぎらわしくなるので、
- 一の糸ーⅠ弦
- 二の糸ーⅡ弦
- 三の糸-Ⅲ弦
とローマ数字を用いている。
三味線を身近に
慣れない頃は、肩に力が入ったり、右手に力が入って凝ったり痛くなったりしますが、慣れてくると痛みも減ります。箏と合わせて弾く場合は、座っているときが多いので首からさげるバンドはいりませんが、踊りながら弾いたりするときは、バンドを使ったりもします。
現在、お祭りなどで若い方も三味線を弾いているのをみかけます。伝統が受け継がれていっているんだなと感じうれしく、また、感動もします。子供たちが大きくなってもなくならずにあってくれたらいいですね。
ロックもいいですど、和楽器もいいですね。